エウレカセブンって

期待するものを間違えると面白さが半減どころか消滅しちゃうんじゃないかなと思う。
何つーか、ロボットアニメとしての魅力がない。ロボアクションが殆どないし、ロボメインなすトーリー展開かと問われれば今のところ全然そういう雰囲気じゃないし。
王道を期待したらつまらないと感じるだろう。ゲッコーステイトの面子は明確な行動目的が曖昧(っつか「リフをする」という目的なんだろうが、今んとこまともにリフをした描写が殆どない)な上に、そのメンバーが大人になりきれていない子供の集まり、もしくは大人だった(軍人だった)頃の自分を捨てて子供になろうとする、みたいな? とにかくそういう人達ばかりで、マイナスの部分が目立つような気がする。それらをマイナスの部分と見るかプラスの部分と見るかは人によって違うんだろうけれども。人の不幸を笑うような性格がプラスだとは思えんが。
レントンの成長劇として、レントンエウレカの微妙な関係の発展を楽しみに見ているのなら、まず間違いなくこのアニメは楽しめるだろう。それはもう、他の要素はオマケというかどうでもいいと思えるくらい、この「レントンの成長」という点に集中して期待するくらいでないといけないが。だって本当に他の要素は駄目くさいんだもん。
放送開始前から思ってたんだが、エウレカセブンはとにかく説明不測・描写不測を『富野っぽい演出』として押し通してる感じがするのよな(エウレカに限った話じゃないけど)。ホランドとかのキャラの行動の理由を、ちゃんとした言葉じゃなく、微妙なしぐさで演出するのは、一部の人から見れば「描写不測」「中途半端」とも見られるし、もう片方の人から見れば「奥が深い」「演出が細かい」みたいにも受け止められる。
でもエウレカは、放送開始の前から大勢の人達に、殆ど祭りの勢いのごとく期待されていたからなぁ。たとえ本編がつまらなくても、「このアニメは面白いんだ」と脳内変換して見る人達とか、さっきも言った「期待している要素」を絞って、それ以外の要素は完全に無視するとか。どっかで聞いた話だけど、エウレカはアンチ種のためのロボットアニメという話があった。作中の『富野っぽさ』はそこらへんを表してるのかどうか分からんけど、確かにアンチ種のためのロボットアニメがつまらんかったら本末転倒だから、種に対する反骨精神のごとくエウレカを楽しいと言い続けるのかもしれない。まぁ、こんな人間はごく少数だろうけど。
そもそも、エウレカはまだ始まって10話だし、今後に期待してもいいんじゃないかな。ファフナーは15話も視聴者につまらないと言われ続け、そして突然化けたという伝説があるんだから、今後何が起こってもおかしくない。
そんな俺は今後もエウレカは見るよ。作品の売りであるはずのメカアクションとリフアクションが増える事を期待しながら。